レッスン

レッスン · 2024/10/16
レッスンで取り組む曲が、いつでもスラスラと演奏できる曲であるとは限りません。なかなかうまくいかないな、これ以上続けるのはしんどいだろうな、と判断した場合は「ここまでよく頑張りましたね!新しい曲を始めましょう。」と切り替えることにしています。ですが、数週間後にその時難しかった曲に戻って「もう一回弾いてみませんか?もしかしたら今なら弾けるかもしれません。」と声掛けをすることにもしています。その時スムーズに弾けなくても、新しい曲を進めていく中で新たな力が付き、楽譜をフレッシュな状態で見直すことができ、「あれ?今なら弾ける!」につながるのです。「あの時難しく感じたけれど、今はそんなことない」と自分自身で上達を感じることは演奏への自信につながり、より演奏の楽しさを感じてもらえるのではないかと思います。「弾けた!」は大きな喜びですから。
レッスン · 2024/10/06
先日、とある生徒さんが「今度学校の演奏会でピアノを弾くことになったから、細かいところを教えてください。」と言ってきました。「オーディションがあって、選ばれたんだ!」と嬉しそうに。「え?そうなの?知らなかった~!」と思わず嬉しくなりました。学校の先生からもらった伴奏譜を自分で譜読みして、自分で練習して、自分でオーディションに挑戦…。ピアノを教えていて、こんなに嬉しいことはありません。 私はピアノが生徒さんの日常にあること、生徒さんの自信につながること、それがレッスンの目標の一つです。楽譜を読んで演奏する、は誰にでもできることではありません。この子にとってピアノは「他の人よりできること」として活きているんだなぁ、と嬉しくなりました。
レッスン · 2020/11/04
「練習しても弾けない」「音を追うので精一杯」など、よく耳にする生徒さんのことばです。技術的なことはさておき(技術は練習すれば身につきます)、なぜ弾けないのか、どうすれば弾けるようになるのかを考える必要があります。それは「曲の構造を知る」ことだと思います。 どんなにシンプルな曲でも「設計図」があります。例えばハ長調の「チューリップ」ならば始まりは "ドレミ、ドレミ、" と3音の上昇が2回続きます。とても簡単なことかも知れませんが、これを理解することで次の音を予見し、指は自然と鍵盤の上を進むのです。複雑で難しい曲ならなおさら、コード進行やメロディーの構造を知ることが大事です。「そうか!」と納得した瞬間に「難しい」呪縛から解かれるはずです。レッスンでは、楽譜を読み解く作業を必ず行います。聴き手に対してより説得力のある演奏をする、それが目標です。
レッスン · 2020/10/21
職業柄、日頃から何十人もの異なる「手」を見ています。写真を見ただけで「この手はこの子!」とわかる自信もあります。 成長によって手の大きさや指の筋力が変わることはもちろんですが、それに加えてそれぞれの手には個性があって、その分、ひとつのテクニックを身に着けるのに何通りものやり方があるのではないかと考えています。私はその個性を大切にしたい。全員が全員同じやり方で弾けるようになるとは限らないし、生徒さんと一緒に実験しながら練習方法や弾きやすい奏法を模索することが大事だと思います。自分の手と仲良くなって、ピッタリな奏法を探していくこと、それが上達への近道だと考えます。